Creator's Blog,record of the designer's thinking

研究者の頭とクリエイターの感性で、書き、描き、撮り、制作しています

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ドローイング258. 小説:小樽の翆189. 美希姉ちゃんの処女喪失話

翆は、準夜勤だから、夜中でないと帰らない。さて小腹が空いたから、チクコウのファーストフードか。これぐらいしかないあたりが地方都市の寂しいところだ。チクコウで日が傾いた秋の気配が漂う景色を見ながら・・・ 「叔父さぁーーん」 聞き覚えがあるダミ…

ドローイング257. 小説:小樽の翆188. 二度とない機会

翆のスマホに連絡があったパパのクロッキー教室へのお誘いにのった。 少し芸術の秋を堪能して翆の家に戻った。 翆「あら、お疲れさん。夕飯食べようよ!、どうだったパパのクロッキー教室は?」 「スマホで、突然呼び出されたわけがわかった」 翆「何、それ?…

ドローイング256. 小説:小樽の翆187. 芸術の秋ぃー

今日は、公園の散歩にはゆかないんだ。ゆけば、小春が通り過ぎて色盲呼ばわりされるのもかなわない。 そこで、翆の書架にある解剖学の本を見ながら人体デッサンのメモを作成していた。少なくとも体表面の筋肉ぐらい理解しないと、人体を描いていることにな…

ドローイング255. 小説:小樽の翆186. 文さんの枕話・続き

晃子「文さんののろけ話って面白い。もっと聞かせて」 文子「お客さんがまだいないから、ここだけの話よ」 晃子「何ヶ月ぶりに戻ってきたときってどんなん?」 文子「先日のお店早じまいしたときよね。晃子さんが翆さんと一緒に夕飯食べに来てくれた日よね。…

ドローイング254. 小説:小樽の翆185. 文さんの枕話

最近病院勤めの晃子さんは、よく文さんの店でご飯を食べる。 ・・・ 文さん「健さん、今は家にいるから、毎晩可愛がってもらってくれるの。うん、それで私はすごく幸せ。そんな情景を思い出すと、のろけたくなるよね」 晃子「のろけちゃいなよ!、是非聞きた…

ドローイング253. 小説:小樽の翆184. 夕焼け空

さてそれぞれの台風通過の時のすごし方もあるが、アチキ達はどうしていたかって。 もちろん病院が台風で休みになることはなく、いつも通りの勤務で翆は日勤だった。病院は一時停電で自家発電に切り替わったが、翆は淡々と仕事をしていた。 アチキは家にこも…

ドローイング252. 小説:小樽の翆183. 台風とザクロ

土曜日の朝、明菜と彼氏は、待ち合わせてデートに出かけていった。あの格好いいファッションで画板を背中にしょって。デートといっても高校の裏山なんだけど。ポジションを決めて森の奥に海が見える。曇り空だけどスケッチ・デートの気分は最高だね。 ・・…

ドローイング251. 小説:小樽の翆182. 野分

NHKラジオ第2放送が16時に気象通報を放送している。 ・・・函館では南の風、風力7、天気曇り、気圧980ヘクトパスカル、気温28。浦河では南の風.風力5,990mhp、根室では南東の風,風力5,天気曇り,気圧990ヘクトパスカル、稚内東の風,風力5,天気曇り,気圧985ヘ…

ドローイング250. 小説:小樽の翆181. 明菜姉ちゃん初・・・

また小うるさい小春がやってきた。 小春「おじちゃん、ニュースだよ!」 「なにがニュースなんだい」 小春「明菜姉ちゃんが明後日決行だといって、夕べ、バッチリ決めた洋服をみせてくれたの」 「明菜さんって、すごく地味な格好していなかったったけ」 小春…

ドローイング249. 小説:小樽の翆180. 根性より、美しいこと

また、学校がえりに小春が、アチキの絵を冷やかしに立ち寄ってくる。 小春「オジサン、また色盲みたいな絵を描いてるの?」 「色盲じゃないってさ」 小春「明菜姉ちゃんが、萌香ってる」 「萌香てる?」 小春「野崎萌香というセレブのタレントさんがいるの。…

ドローイング248. 小説:小樽の翆179. 夏の記憶

この夏、翆は、新型コロナ禍で多忙な病院勤めだったけど、それでも僅かな休日に、夏の記憶はちゃんと残っている。 といってもその記憶は、小樽市内の高島漁港あたりなのだが、コバルトブルーの積丹の海と積乱雲の美しい時間だった。久しぶりのデートだから…

ドローイング247. 小説:小樽の翆178. 一陣の風

土曜日の午後、花園の画材屋にでかけた。 「なんだ、明菜さんじゃないか。土曜日も美術の部活?」 明菜「あっ、オジサン、うん部活なんだけど?」 「オジサン隣の茶店でお茶するけど、くるかい?」 明菜「おごってくれる?」 じゃ、ゆこうか・・・。 ・・・ 「…

ドローイング246. 小説:小樽の翆177. 綺麗な時

夕方小樽公園で海の着彩をしていると、学校帰りの小春が立ち寄るのが日課になっている。 小春「おじさんまた海の絵ばかりじゃん。飽きないの?」 「楽しいさ・・・、それで今日は?」 小春「最近、明菜姉ちゃんが大変なの!」 何が大変なのかい? 小春「もう、…

ドローイング245. 小説:小樽の翆176. マサヒロ君の初恋

マサヒロ君がお彼岸も近いのでお爺ちゃんの指図でお寿司を届けに来た。 さて、マサヒロ君の初恋の人っていた?。小学校の頃、お漏らししておチンチンを拭いてくれた玲香さんかなぁー?。 マサヒロ「うーーん、その話が伝説になってしまったから、実は玲香さん…

ドローイング244. 小説:小樽の翆175. 文さんの店

晃子「翆ーー、文さんの店へ夕飯食べにゆかない」 晃子さんに誘われて、まだ陽が明るいけど、夕方、文さんの店にでかけた。 ナンタルの坂をくだって、いくつか角をまがると小さな店が数軒。その中の一つに赤提灯がかかっている。 翆「へぇーーっ、こんなと…

ドローイング243. 小説:小樽の翆174. 最後の夏の空気かな

カフェテリアの続き どうしよう、話を聞いちゃったから起きれない、と思っていたら、頭にかけたスケッチブックがさっと取り払われた。 美希「あら、絵を描くおじさんじゃん!!」 そういって美希さんが、アチキのスケッチブックをパラパラとみている。 ああっ…

ドローイング242. 小説:小樽の翆173. 聞いちゃった

午後の散歩か。今日は築港のカフェテリアにしよう。珈琲を抱えて、港が見える窓側の奥に席を占めた。絵のモチーフは、港に停泊しているヨットと海かな。絵を描くなんて、実は描いていると眠くなる。睡魔に負けてテーブルに突っ伏して寝てしまった。 ・・・ …

ドローイング241. 小説:小樽の翆172. 馬喰の健さん・続き

晃子「一人酒していると、文さんがいろんなことを話してくれるの。私が独り者ってこともしってるしさ」 文さんがよく言っていた。 文さん「健さんが帰ってくるじゃない。会話はいつも決まっているの」 ・・・ 文さん「あんたぁ。今度はいつまでいるの?」 健…

ドローイング240. 小説:小樽の翆 171. 馬喰の健さん

感染症病棟勤めの晃子さんが久しぶりに休みをもらった。といっても家に帰れるだけで、明日は午後からまた病院勤め。夕方翆と一緒に食事にでかけた。 晃子「ときどき一人酒をすることがあって。それが小樽の場末のような場所で、お爺ちゃんの代から細々と続…

ドローイング239. 小説:小樽の翆170. 幕間12. 撮影からドローイングへ

文章も画像も私のオリジナルというのが、このブログの14年来のコンセプトだ。だからオリジナル・イラストの描き下ろしで、「小説:小樽の翆」を再開して調度1ヶ月が経過した。タイトルに小説と書いてあるのは、これを体験談だと読み誤られても迷惑な話だから…

ドローイング238. 小説:小樽の翆169. 防護服

夕方翆が晃子さんのナースに所用があって出かけた時に、晃子さんがモニターが数多く並ぶステーションで休息していた。晃子「一寸笑っちゃうでしょう、私の写真」 そういって、スマホにある何枚かの画像を見せてくれた。 翆「これが普段の姿よねぇー。いかに…

ドローイング237. 小説:小樽の翆168. コスプレで・・・

夕方小樽公園で海の絵を描いていると小春がやってきた。 小春「今日はお家からスマホを持ってきた。最近お行儀よくしているよ。でもねぇ、美希姉ちゃんのお行儀が悪いんだ。この間も海岸でねぇー・・・」 海岸・・・??? 小春「お姉ちゃんの高校の制服じゃだ…

ドローイング236. 小説:小樽の翆167. 酔っ払い

房チャンの店を後にして、二人で千鳥足で帰ってきた。 翆は、媚薬入りのカクテルでテンションが高く、家に帰るなりアチキに抱きついてディープなキスの嵐だ。アチキの胸に硬く尖った乳首があたり、乳房全体が固く張っている。女からメスの獣と化していた。 …

ドローイング235. 小説:小樽の翆166. 再び房チャンのお店

準夜勤が終わる夜中の1時頃、翆からスマホにメールがあり、近所のコンビニで待ち合わせて房チャンの店へでかけた。夜中の晩ご飯だ。 房チャン「ギリギリまで粘ったけど、夜の店は感染源だといわれて自粛してました。晩ご飯が食べられなくてゴメン」 翆「ナ…

ドローイング234. 小説:小樽の翆165. いつもの小樽時間

翆は、今日は準夜勤だから夕方まで時間はタップリある。そんなときはクロッキーでもしようか。7分ポーズ2回で3セットにするか。このボディで昨夜も、激しく燃えていたのだから欲望は昇華したはずだ。それを描こうというのだから、やはりデッサンを勉強して…

ドローイング233. 小説:小樽の翆164. 残っている夏

日本人は、毎年移動手段を講じてお盆の夏を経験してゆくが、今年は感染症の自粛でままならなかった。やはりお盆の頃は大挙して全員集まるハレの時間だ。翆は、幸いにして実家が小樽市内だったし、晃子さんちへゆくサプライズもあった。そんな夏のハレ時間を…

ドローイング232. 小説:小樽の翆163. 車のデザインで陥落

マサヒロ君が、お爺ちゃん寿司を持ってきた。ときどきこれで我が家の昼飯だ。 そういえば、マサヒロ君の話を聞かせてよ。一太郎君と優子さんをどうやってひっつけたの。 マサヒロ「ああ、それ、優子さんを嫁に欲しいけど家にはあいている男がいないとパパは…

ドローイング231. 小説:小樽の翆162. 優子さん

翆と夕飯の時の話題。 いつも夕方、公園でデッサンをしているときに、ツカモッチャン先生の小春君が、帰り道なので立ち寄ってくるんだ。 いつも海の色が違う、オジサン色盲なんだとからかわれている。 翆「そういう、年頃なのよ。見たり聞いたりしたことが…

ドローイング230. 小説:小樽の翆161. 同級生同士

小樽公園の緑陰に二人の青年がいた。 翆の息子のマサヒロ君と、ツカモッチャン先生の一太郎君だ。二人は小学校の同級生。小さい頃一緒に遊んでいた仲だ。 マサヒロ君「美容師の優さんとは、うまくいっている?」 一太郎「うん、こんど一緒に暮らすことにした…

ドローイング229. 小説:小樽の翆160. アチキの日課

さて翆は日勤。 午前中のデスクワークを終えて少し遅い昼飯。 さてねぇー、と冷蔵庫を探っていると、あら、ドレッシングがない。ならば、作るか・・・。 エキストラ・バージンオイルにレモン1個、あとは塩、胡椒だな。多めにつくって作り置きしておこう。 …