2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
翆は、準夜勤だから、夜中でないと帰らない。さて小腹が空いたから、チクコウのファーストフードか。これぐらいしかないあたりが地方都市の寂しいところだ。チクコウで日が傾いた秋の気配が漂う景色を見ながら・・・ 「叔父さぁーーん」 聞き覚えがあるダミ…
翆のスマホに連絡があったパパのクロッキー教室へのお誘いにのった。 少し芸術の秋を堪能して翆の家に戻った。 翆「あら、お疲れさん。夕飯食べようよ!、どうだったパパのクロッキー教室は?」 「スマホで、突然呼び出されたわけがわかった」 翆「何、それ?…
今日は、公園の散歩にはゆかないんだ。ゆけば、小春が通り過ぎて色盲呼ばわりされるのもかなわない。 そこで、翆の書架にある解剖学の本を見ながら人体デッサンのメモを作成していた。少なくとも体表面の筋肉ぐらい理解しないと、人体を描いていることにな…
晃子「文さんののろけ話って面白い。もっと聞かせて」 文子「お客さんがまだいないから、ここだけの話よ」 晃子「何ヶ月ぶりに戻ってきたときってどんなん?」 文子「先日のお店早じまいしたときよね。晃子さんが翆さんと一緒に夕飯食べに来てくれた日よね。…
最近病院勤めの晃子さんは、よく文さんの店でご飯を食べる。 ・・・ 文さん「健さん、今は家にいるから、毎晩可愛がってもらってくれるの。うん、それで私はすごく幸せ。そんな情景を思い出すと、のろけたくなるよね」 晃子「のろけちゃいなよ!、是非聞きた…
さてそれぞれの台風通過の時のすごし方もあるが、アチキ達はどうしていたかって。 もちろん病院が台風で休みになることはなく、いつも通りの勤務で翆は日勤だった。病院は一時停電で自家発電に切り替わったが、翆は淡々と仕事をしていた。 アチキは家にこも…
土曜日の朝、明菜と彼氏は、待ち合わせてデートに出かけていった。あの格好いいファッションで画板を背中にしょって。デートといっても高校の裏山なんだけど。ポジションを決めて森の奥に海が見える。曇り空だけどスケッチ・デートの気分は最高だね。 ・・…
NHKラジオ第2放送が16時に気象通報を放送している。 ・・・函館では南の風、風力7、天気曇り、気圧980ヘクトパスカル、気温28。浦河では南の風.風力5,990mhp、根室では南東の風,風力5,天気曇り,気圧990ヘクトパスカル、稚内東の風,風力5,天気曇り,気圧985ヘ…
また小うるさい小春がやってきた。 小春「おじちゃん、ニュースだよ!」 「なにがニュースなんだい」 小春「明菜姉ちゃんが明後日決行だといって、夕べ、バッチリ決めた洋服をみせてくれたの」 「明菜さんって、すごく地味な格好していなかったったけ」 小春…
また、学校がえりに小春が、アチキの絵を冷やかしに立ち寄ってくる。 小春「オジサン、また色盲みたいな絵を描いてるの?」 「色盲じゃないってさ」 小春「明菜姉ちゃんが、萌香ってる」 「萌香てる?」 小春「野崎萌香というセレブのタレントさんがいるの。…
この夏、翆は、新型コロナ禍で多忙な病院勤めだったけど、それでも僅かな休日に、夏の記憶はちゃんと残っている。 といってもその記憶は、小樽市内の高島漁港あたりなのだが、コバルトブルーの積丹の海と積乱雲の美しい時間だった。久しぶりのデートだから…
土曜日の午後、花園の画材屋にでかけた。 「なんだ、明菜さんじゃないか。土曜日も美術の部活?」 明菜「あっ、オジサン、うん部活なんだけど?」 「オジサン隣の茶店でお茶するけど、くるかい?」 明菜「おごってくれる?」 じゃ、ゆこうか・・・。 ・・・ 「…
夕方小樽公園で海の着彩をしていると、学校帰りの小春が立ち寄るのが日課になっている。 小春「おじさんまた海の絵ばかりじゃん。飽きないの?」 「楽しいさ・・・、それで今日は?」 小春「最近、明菜姉ちゃんが大変なの!」 何が大変なのかい? 小春「もう、…
マサヒロ君がお彼岸も近いのでお爺ちゃんの指図でお寿司を届けに来た。 さて、マサヒロ君の初恋の人っていた?。小学校の頃、お漏らししておチンチンを拭いてくれた玲香さんかなぁー?。 マサヒロ「うーーん、その話が伝説になってしまったから、実は玲香さん…
晃子「翆ーー、文さんの店へ夕飯食べにゆかない」 晃子さんに誘われて、まだ陽が明るいけど、夕方、文さんの店にでかけた。 ナンタルの坂をくだって、いくつか角をまがると小さな店が数軒。その中の一つに赤提灯がかかっている。 翆「へぇーーっ、こんなと…
カフェテリアの続き どうしよう、話を聞いちゃったから起きれない、と思っていたら、頭にかけたスケッチブックがさっと取り払われた。 美希「あら、絵を描くおじさんじゃん!!」 そういって美希さんが、アチキのスケッチブックをパラパラとみている。 ああっ…
午後の散歩か。今日は築港のカフェテリアにしよう。珈琲を抱えて、港が見える窓側の奥に席を占めた。絵のモチーフは、港に停泊しているヨットと海かな。絵を描くなんて、実は描いていると眠くなる。睡魔に負けてテーブルに突っ伏して寝てしまった。 ・・・ …
晃子「一人酒していると、文さんがいろんなことを話してくれるの。私が独り者ってこともしってるしさ」 文さんがよく言っていた。 文さん「健さんが帰ってくるじゃない。会話はいつも決まっているの」 ・・・ 文さん「あんたぁ。今度はいつまでいるの?」 健…
感染症病棟勤めの晃子さんが久しぶりに休みをもらった。といっても家に帰れるだけで、明日は午後からまた病院勤め。夕方翆と一緒に食事にでかけた。 晃子「ときどき一人酒をすることがあって。それが小樽の場末のような場所で、お爺ちゃんの代から細々と続…
文章も画像も私のオリジナルというのが、このブログの14年来のコンセプトだ。だからオリジナル・イラストの描き下ろしで、「小説:小樽の翆」を再開して調度1ヶ月が経過した。タイトルに小説と書いてあるのは、これを体験談だと読み誤られても迷惑な話だから…
夕方翆が晃子さんのナースに所用があって出かけた時に、晃子さんがモニターが数多く並ぶステーションで休息していた。晃子「一寸笑っちゃうでしょう、私の写真」 そういって、スマホにある何枚かの画像を見せてくれた。 翆「これが普段の姿よねぇー。いかに…
夕方小樽公園で海の絵を描いていると小春がやってきた。 小春「今日はお家からスマホを持ってきた。最近お行儀よくしているよ。でもねぇ、美希姉ちゃんのお行儀が悪いんだ。この間も海岸でねぇー・・・」 海岸・・・??? 小春「お姉ちゃんの高校の制服じゃだ…
房チャンの店を後にして、二人で千鳥足で帰ってきた。 翆は、媚薬入りのカクテルでテンションが高く、家に帰るなりアチキに抱きついてディープなキスの嵐だ。アチキの胸に硬く尖った乳首があたり、乳房全体が固く張っている。女からメスの獣と化していた。 …
準夜勤が終わる夜中の1時頃、翆からスマホにメールがあり、近所のコンビニで待ち合わせて房チャンの店へでかけた。夜中の晩ご飯だ。 房チャン「ギリギリまで粘ったけど、夜の店は感染源だといわれて自粛してました。晩ご飯が食べられなくてゴメン」 翆「ナ…
翆は、今日は準夜勤だから夕方まで時間はタップリある。そんなときはクロッキーでもしようか。7分ポーズ2回で3セットにするか。このボディで昨夜も、激しく燃えていたのだから欲望は昇華したはずだ。それを描こうというのだから、やはりデッサンを勉強して…
日本人は、毎年移動手段を講じてお盆の夏を経験してゆくが、今年は感染症の自粛でままならなかった。やはりお盆の頃は大挙して全員集まるハレの時間だ。翆は、幸いにして実家が小樽市内だったし、晃子さんちへゆくサプライズもあった。そんな夏のハレ時間を…
マサヒロ君が、お爺ちゃん寿司を持ってきた。ときどきこれで我が家の昼飯だ。 そういえば、マサヒロ君の話を聞かせてよ。一太郎君と優子さんをどうやってひっつけたの。 マサヒロ「ああ、それ、優子さんを嫁に欲しいけど家にはあいている男がいないとパパは…
翆と夕飯の時の話題。 いつも夕方、公園でデッサンをしているときに、ツカモッチャン先生の小春君が、帰り道なので立ち寄ってくるんだ。 いつも海の色が違う、オジサン色盲なんだとからかわれている。 翆「そういう、年頃なのよ。見たり聞いたりしたことが…
小樽公園の緑陰に二人の青年がいた。 翆の息子のマサヒロ君と、ツカモッチャン先生の一太郎君だ。二人は小学校の同級生。小さい頃一緒に遊んでいた仲だ。 マサヒロ君「美容師の優さんとは、うまくいっている?」 一太郎「うん、こんど一緒に暮らすことにした…
さて翆は日勤。 午前中のデスクワークを終えて少し遅い昼飯。 さてねぇー、と冷蔵庫を探っていると、あら、ドレッシングがない。ならば、作るか・・・。 エキストラ・バージンオイルにレモン1個、あとは塩、胡椒だな。多めにつくって作り置きしておこう。 …