Creator's Blog,record of the designer's thinking

研究者の頭とクリエイターの感性で、書き、描き、撮り、制作しています

2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

エッセイ1181.消毒された街で、何を撮る

α6600+LEITZ WETZLR SUMMICRON 1:2/35mm NO1996615 連休中の映像制作は、1956年公開のイタリア映画鉄道員 の空気をなぞることから始めた。 タングステンフィルム風の設定も試した。だが、それは「技法を使いました」という記号が先に立ち、画が痩せる。単調…

エッセイ1180.ガラス玉か、スタイルか

α6600+Leitz SOMMICRON28mm/F2.8 先日、中国・深センのレンズメーカーのサイトを眺めていて、危うくニコンに傾きかけた。妙にそそる構成をしてくる。 とはいえ、いま手元のニコンは、フィルム静止画用としてすでに役割が決まっている。これ以上増やす理由は…

エッセイ1179.まだ連休やってんのかよ

京都市内(2026年5月4日) ブログを書いても書いても、ストックが増えない。一日一本消費していくのだから、理屈としては当たり前だ。 それでも三日分まとめて書けば、多少は余るだろうと思う。だが現実は増えない。まるで穴の空いたバケツだ。 「なんじゃ、こ…

エッセイ1178.遅すぎたニコンと、速すぎる中国

中国銘匠工学製レンズマウント(引用先:同社サイト) 中国製レンズ関連メーカーの開発速度が速い。 深センのメーカー銘匠工学のサイトを見ていると、妙に誘惑的な画像を発見した。ニコンZfのボディにライツのズミクロンを装着している。 一見するとトリッキー…

エッセイ1177.擦り切れた空気、京都で拾う。擦り切れへん街で

京都市内(2026年5月) うーん、鉄道員かいな。 中学の頃に観た、イタリアの映画やな。1956年公開やったか。 ほな、これで一本、映像いけるんちゃうか思うてな。けど、遠出すんのは面倒やし、京都の街でなんとかならんかと考えたんや。 そうなるとやな、映画の…

エッセイ1176.身体を描く、愛を思い出す

「小説:小樽の翠」NO399から 小説:小樽の翠NO882から gooブログの時代に、私は「小説:小樽の翠」を長く書き続けていた。数えてみれば、800回近い連載になる。その頃に描いたイラストを、いま静かに掘り起こしている。 コロナ禍の記憶は、どこか白く曖昧だ。…

エッセイ1175.空気は申請できない

フィリピン・ブラカン州のディスコ(2025年) フィリピン・ブラカン州のディスコ 映像は、静止画よりも「撮れない場所」が多い。 機材が少しでも大仰になると、それだけでメディアのロケと誤解され、距離を置かれる。そうなれば、事前の許可取りが必要になる。…

エッセイ1174.都市は記憶に変えられるか

ピエトロ・ジェルミ監督、映画「鉄道員」1956年、イタリア ふと、思い至った。京都のシティスケープで、イタリア映画の空気を表現できないか。 「鉄道員」(1956年公開)、あるいは「ベニスに死す」(1971年公開)におけるヴェネチア。あの湿り気を帯びた時間の流…

エッセイ1173.熱帯のざわめき、気温12度の京都

フィリピン・ブラカン州(2026年4月30日) トホホな日常を送っているこちらをよそに、フィリピン・ブラカン州にいる嫁から、動画が届いた。親戚を引き連れてプールでパーティーだという。 熱帯は今が盛りだ。強い日差しと湿気の中で、人が集まり、騒ぎ、食べる…

エッセイ1172.三重苦の朝、そしてプール

京都市・安井金刀比羅宮(2026年4月) トホホの朝だった。 嫁がフィリピンから従姉妹とともに日本へ戻るという。フライト情報を確認すると、いつものセブ航空はセブ乗り継ぎ。機体不足の話も聞く。ならばとJetstarに切り替えた。 予約自体はあっさり通った。だ…

エッセイ1171.何を書こうとしていたのか

ドローイングシリーズ、(小説:小樽の翠488回) ドローイングシリーズ、(小説:小樽の翠516回) gooブログ時代に書いた『小説:小樽の翠』という官能小説がある。文章もイラストも、すべて自分で執筆し描いていた。 いま手元のNASに残っているのは、そのイラスト…

エッセイ1170.映像に収まらなかった建築家達

京都国立博物館 Architect:YOSHIROU TANIGUCHI 京都アクアリーナ Archietect:MITSURU SENDA+NORIHIKO DAN 京都宝ヶ池プリンスホテル Architect:TOUGO MURANO 使わなかった映像カットの中には、建築家の作品も含まれている。 トップに置いたのは、京都国立博…

エッセイ1169.空気で編集する

JR京都駅(2025年5月) JR京都駅(2025年5月) 映像撮影でストックしていたカットがある。京都タワーから俯瞰した京都駅だ。 悪くない。むしろ、単体としては成立している。それでも今回の映像には入らなかった。 使えないのではない。合わないのだ。 一本の映像…

エッセイ1168.疑似的風景に溶ける身体

京都市・宝ヶ池公園(2026年4月) 京都市・宝ヶ池公園(2026年4月) 京都市・宝ヶ池公園(2026年4月) 「疑似的風景」という概念がある。 トップ画像に掲げた 京都・宝ヶ池公園 は、池越しに 国立京都国際会議場 を望む撮影ポイントとして知られているが、周囲を取…

エッセイ1167.事実より先に空気が動く

京都駅・修学旅行生(2026年4月9) 映像編集をしていると、公開した映像の五倍以上の素材を撮っている。つまり、八割は使われない。 理由は単純だ。テーマに合わない、写りが甘い、編集の中に居場所がない。あるいは、ごく稀に「これはやめておこう」という判…

Fieldwork1019.愛しのレイネリア

京都国際会館(2026年4月) 「愛しのレイネリア」は、ファイナルファンタジーVIIIに登場する“ラグナ語”になぞらえた造語だ。本来なら「愛しの建築」と言うところを、あえて意味を持たない言葉に置き換えた。 意味を外すと、タイトルは柔らかくなる。そのことに…

エッセイ1166.答えに直行せよ

京都市・建仁寺(2026年4月) さて、フィリピンの嫁に書類を送る。 コストを考えれば、DHLよりも4日ほど遅いが、EMSで十分だ。 ところが、新居に引っ越したのにZIPコードがない。 この手の話になると、まず思いつくのがGoogleだ。フィリピンの郵便番号表を探し…

エッセイ1165.電気屋は来るがコンビニは来ない。

京都市・安井金刀比羅宮(2026年4月) 「近所にコンビニが4軒ある。郵便局も4軒ある。 それが京都の“便利さ”だ。 だが、そのコンビニは、コンセント一つ直しには来ない。 そこで、近所の電気屋の叔父さんである。一言、「じゃ、月曜日ゆきます」。 この一言の…

エッセイ1164.便利さとは、家の距離である

京都市・青蓮院82026年4月) 昨夜の雨が上がると、五月晴れだ。 こういう時期は、機械の点検にちょうどいい。 案の定、我が家も不具合続きだ。コンセントの同軸ケーブルが抜け、エアコンも機嫌が悪い。そこで近所の電気屋の叔父さんに来てもらった。 もう80は…

エッセイ1163.創造復元は、動き出す。

沖縄県・浦添城建築想像復元(三上訓顯:建築史上の2つの経験、芸術工学への誘い、vol.21,2016、p2〜18。 chatGPT作成 今、企画中のアイデアを一つ。 どうせ第三者には、簡単には再現できない。元となる3DCGデータを持っているのは、世界でも私自身だからだ。 …

エッセイ1162.季節だけが先に進む

京都市・高台寺公園(2026年4月) 夜半の雨。午後は晴れ。四月下旬の京都、新緑が刺さる。 指ならしに、ブログ。言葉がまだ、整わない。 月曜、朝寝坊。この季節には、逆らわない。 隣のモニター。単調な仕事が、黙っている。 雨上がりの空気。外へ出ろ、と言…

エッセイ1161.S-Logは未決定のまま世界を持ち帰る

京都・青蓮院門跡(2026年4月) これを書いている4月下旬。イランでは戦争が進み、内部から崩れる可能性も出てきた。 だが、こちらは淡々とS-Logで撮っている。この落差は重要だ。 S-Log撮影という技法は、見たままを記録する技術ではない。むしろ逆だ。“見た…

エッセイ1160.風景が流れ込んでくる時代

小樽市街地(2026年4月24日) 今月の小樽のシティスケープ。 小樽天狗山のライブカメラを、書斎のモニターに流しっぱなしにしている。京都にいながら、小樽の空気を覗き込むための“窓”だ。 仕事に沈み込み、気がつけば薄暮を少し過ぎている。それでも視界は遠…

エッセイ1159.締切が来ないと人は動かない

京都・建仁寺(2026年4月) 2月に投稿した論文が、ようやく研究誌となって手元に届いた。関係者に配り終えたところで、昨年度の仕事は静かに幕を引く。 そして珍しく、今年度の投稿予定にもう手を付けている。締切は来年2月。まだ現実感はない。にもかかわらず…

エッセイ1158.資源はないが、カードはある

東レ・サウドアラビア現地工場(場所ダンマン、年産30万枚、中東最大のRO膜製造工場、出典:Zawyan報道) イラン紛争によるホルムズ海峡封鎖。予想どおり国際石油市場は跳ね上がった。そして、わが国もまた「市場」に従うという名目で、同じように高値を受け入…

Fieldwork1018.KYOYO,Light Becomes Wind.追記

西京極(2026年4月16日) 新緑に引き寄せられて、散歩に出た。若い葉のあいだを風が抜けてゆく。光が揺れ、やがて風そのものになる。初夏の空気とは、こういうものだ。 この日は、カラーグレーディングの実習にあてた。狙いはあくまでVelviaの発色だ。もちろん…

エッセイ1157.忘れる機材、錆びる手

SONYα6600、F4PZ/10-20G(撮影:iPhon13pro) 撮影機材というのは、少し触らないだけで平気で操作を忘れる。 久しぶりに手に取ると、「これ、Log撮影できたか?」と手が止まる。記憶じゃなくて、もはや発掘だ。 調べ直して、ようやくピクチャープロファイルに辿…

エッセイ1156.精度か、死か

地形図の等高線起こし 連休?地形図をおこすんや。 1m刻みでな。 これだけで理解できへんやつは、もうええ。 「Googleでええやろ」 その瞬間に、お前は切り捨て対象や。 金払って、精度も分からんデータ掴んで、「便利」って言うてるだけの消費者。 作る側ち…

エッセイ1155.ボカして逃げるか、混沌に突っ込むか

両国駅(1969年7月)Canon6L,50mm/F1.4,トライX 連休やて?知らんがな。こっちは仕事や、いつもと何も変わらん景色や。 せめて連休っぽい画像でも…思て探したけど、見事にあらへん。で、引っ張り出してきたんがこれや。 高校ん時、SL撮りに行っとった頃の一枚…

エッセイ1154.関所は消えてない、形を変えただけや。追記

制作:ChatGPT Macな、便利になった言うてるやろ。あれ、ウソやで。 便利になるほど、面倒くさなる。 久しぶりにMacBook ProでFacebook開いたらやな、いきなりIDや、パスワードや、暗証番号やて、次から次へと出してこい言うてくる。 全部合うてる。けどな、…