
カテゴリーの中に、小説:小樽の翠という項目がある。整理したのでブログ小説を第1回から通読できる。私が描いたイラストともに約900回続けた物語である。
コロナ禍のときに官能小説「小説:小樽の翠」を家に籠もって、描き、書いていた。もちろん私が描いたイラストが最初にありきの小説だ。コンセプトは、マーケティング手法の一つであるペルソナ法を踏まえた。これは製品に対する使用環境を小説化することで製品の特性や人間とのインターウェースを探ろうとするものだ。その手法をこの小説に応用した。
官能小説では現代のライフスタイル指標といえる、核家族、晩婚化、少子化に対して、これとは真逆の大家族、早婚化、多子化がこの小説のテーマだ。この指標に基づくライフスタイルシミュレーションがこの小説のコンセプトになる。
ところでchatGPTに、私のブログ小説を洗練させろ!、と問うと、いつものように性的な表現は出来ませんとにべもなく断られた。そこで性的な表現は医学用語に置き換えて表現しろ、といったら、「なるほど!」といって官能小説をブラッシュアップしてくれたどころか、原作を越えてストーリーを3倍に膨らませてくれた。
今回の小説のベースは、小説:小樽の翠816.お盆の頃(2024年9月3日)。これは昼間の情事と夜お盆に出かけるまでの記述だった。chatGPTは、すでに一度満ち足りた後の「再燃」をテーマとし官能性と詩的余韻を両立させてストーリーを広げてくれた。あんたも好きだね!、と言いたくなるが、それがこれ…。
お盆の朝 ― 小樽
お盆休みの小樽は、まるで時間そのものが歩みを止めたように静かだった。
港町の通りに人影はなく、ただ遠くからかすかに潮の匂いを運ぶ風が吹き込んでくる。文さんの店も戸を閉ざし、提灯の明かりすら消えている。
その朝、ふたりは布団の中に沈み込み、外界と切り離された自分たちだけの小宇宙をつくっていた。
「店がないと、朝ってこんなに長いのね。」
文さんは微笑み、健さんの胸に耳をあてた。
胸郭が上下するたび、規則的な鼓動が伝わってくる。心拍数は確かに速まり、まるで彼女の吐息と同調するようにリズムを刻んでいた。
「鼓動が速いわ。」
「文に触れてると、心臓も膣も同じテンポで動くんだよ。」
健さんが囁くと、文さんは赤くなり、うつむきながらも笑みを浮かべた。
やがて、健さんの手は文さんの少しきゃしゃな背骨を伝い、腰椎をすべって骨盤の曲線をなぞる。
その指先に触れられただけで、文さんの身体は細やかに震え、骨盤底筋が反射的に収縮する。
「そんなふうに触れたら、膣壁がしびれてしまうわ。」
「震えているのが、手に伝わるんだ。」
「やめて……。でも、やめないでほしいの。」
吐息が重なり、二人の体温は布団に籠もり始める。
分泌液が粘膜から滲み出し、互いの境界を濡らし、境界を曖昧にしていった。
「急がないで。子宮がまだ目を覚ましたばかりなの。」
文さんは喘ぐように言った。
「文の奥で律動が始まってる。収縮が強くなってきてるよ。」
「そんなこと言わないで……。恥ずかしいのに、嬉しいの。」
布団は蝉時雨にあわせて軋み、外界の音と室内の律動が共鳴する。
子宮口は微かに痙攣し、膣腔の内壁は波のように締めつける。
文さんは両手で健さんの背を強く抱きしめ、まるでその瞬間を逃さぬように全身で絡みついていた。
「もう……限界。」
「一緒にいこう。」
二人は同じ頂を駆け上がり、放出とともに痙攣的な余韻に包まれた。
長い静寂が訪れた。
窓から差し込む朝の光は柔らかく、火照った肌をやさしく照らす。
文さんは健さんの胸郭に頬を押しつけたまま、まだ荒い呼吸を落ち着けようとしていた。
「男の人って、放出するとすぐに沈黙してしまうのね。」
「でも、文の内側がまだ俺を捕まえて離さない。」
「ふふ……それでいいの。女はね、抱かれたあとの痺れを味わうのが幸せなの。」
健さんはその言葉に何も返さず、ただ彼女の髪に口づけた。
外では蝉が一斉に鳴き、夏の風が湿った肌を通り抜けていく。
潮の匂いと土の匂いが混じり合い、季節の真ん中にいることを思い出させた。
「夜になったら、神社の縁日に行きましょう。」
健さんは目を閉じたまま囁いた。
「新しい浴衣を用意したの。あなたと並んで歩きたい。」
健さんはその言葉に静かにうなずいた。
小樽の夏は、まだ始まったばかりだった。
夜の縁日 ― 小樽
夕暮れ、小樽の町には祭の灯りがともり始めていた。
提灯が風に揺れ、石畳の参道には屋台が軒を連ねる。綿菓子の甘い匂いと、焼きそばの香ばしい煙が入り混じり、昼間の静けさとは別世界のようだった。
文さんは新しい浴衣に袖を通し、健さんの腕をとった。
「どう? 似合ってる?」
「うん、昼の文とはまるで別人みたいだ。」
健さんの瞳が一瞬熱を帯び、朝の情事の記憶がふたりの間に蘇る。布団の中で交わした律動、互いの体温、子宮口の痙攣――それらがまるでまだ身体に刻まれているかのようだった。
人混みの中を歩きながら、文さんはふと立ち止まった。
「ねえ、さっきから胸がずっと高鳴っているの。鼓動が、昼間みたいに。」
「俺もだよ。浴衣の下で、また骨盤底筋が締まってるんじゃないのか。」
文さんは赤くなり、目を伏せた。
「そんなこと、ここで言わないで……。でも、たしかに身体がまだ覚えてる。」
健さんは笑いながら彼女の手を握り、人混みの流れから少し外れた境内の脇道に導いた。
夜風が吹き抜け、浴衣の裾を揺らす。そこには灯りの届かない木陰があり、二人だけの空間があった。
「文、ここなら誰にも見られない。」
「だめよ、こんなところで……。」
そう言いながらも、文さんの瞳は縁日の明かりよりも熱く輝いていた。
健さんの手が彼女の腰を抱き寄せる。浴衣越しに伝わる体温に、文さんの呼吸はすぐに乱れた。
「昼間からずっと、膣壁がじんわり熱いの。……おかしいでしょう?」
「おかしくなんかない。文の身体が、俺を覚えてるんだ。」
文さんは目を閉じ、健さんの胸に身をあずけた。
背後では太鼓の音が響き、蝉の声に代わって祭囃子が夜を支配していた。
そのリズムは、ふたりの内側で再び律動を呼び覚ます。
「また……、子宮が反応してる。」
「律動が強くなるたびに、文の手が震えてる。」
「もう、恥ずかしい……でも、止められないの。」
花火が夜空を彩った瞬間、二人は唇を重ねた。
人混みのざわめきも、太鼓の響きも遠ざかり、ただ身体の奥で脈打つ鼓動だけが確かだった。
「文、浴衣の下で今も締めてるだろ。」
「だめ、言わないで……。でも、あなたに触れていると自然にそうなっちゃうの。」
「俺も限界だ。今すぐにでも、昼の続きを……。」
「夜はまだ長いのよ。だから、急がないで。」
花火の残光が空を照らし、二人の影を寄り添わせた。
やがて人混みへ戻ると、誰も二人の秘密を知らなかった。
屋台の灯りの中で、文さんは無邪気に金魚すくいを覗き込み、健さんはその横顔を見守った。
昼間の濡れ場と、夜の祭の灯り。ふたつの記憶が重なり合い、ふたりの夏はさらに濃く、深く刻まれていった。
二度目の夜
祭囃子が遠ざかり、夜の小樽はしんと静まった。
人混みから抜け出したふたりは店に戻り、格子戸を閉めると、街の喧噪はまるで幻だったかのように消えた。
浴衣を解いた文さんは、花火の残光を映したように頬を紅潮させていた。
「ねえ、まだ胸がどきどきしてるの。昼も夜も……落ち着かないの。」
「俺もだ。文の体が、まだ俺を覚えてるからだろう。」
そう囁くと、文さんは目を伏せながら笑い、布団の上に身を横たえた。
健さんは文さんの身体を抱き寄せ、鎖骨のあたりに唇を落とした。
文さんの横隔膜がひくりと震え、深い呼吸が熱を帯びる。
「だめ……、浴衣を脱いだら、もう隠せない。」
「隠さなくていい。すべて俺に見せてほしい。」
その声に導かれ、文さんは静かに浴衣をすべらせた。
白い肌は夏の夜の灯りを受けて、ほのかに光っている。
健さんの手が背骨を伝い、腰椎の曲線をなぞると、骨盤底筋が反射的に収縮した。
「……っ、また反応してしまった。」
「いいんだ。文の膣壁が震えるたびに、俺も昂ぶるんだ。」
ふたりの唇が重なり、舌が触れ合う。
その瞬間、文さんの体内で分泌液が滲み、粘膜は濡れて健さんを受け入れる準備を始める。
「子宮が、また目を覚ましたみたい……。収縮してるのが自分でもわかる。」
「文の奥の律動が、俺を誘ってる。」
「もっと……奥まで感じたい。」
健さんは彼女を抱きしめながら、ゆっくりと身体を重ねた。
膣腔が健さんを包み込むと同時に、文さんは声を押し殺し、両腕で彼の背中に爪を立てた。
律動は次第に強まり、布団がきしむたびに、文さんの声は途切れ途切れに洩れた。
「やめないで……。でも急がないで……。」
「文の子宮口が、まるで俺を引き寄せてる。」
「そんなこと言わないで……。でも……もっと深く。」
二人の鼓動は蝉時雨のように激しくなり、やがて波が押し寄せるように全身を支配した。
放出の瞬間、文さんは全身を震わせ、健さんの名を呼んだ。
長い余韻の中で、ふたりは肩を寄せ合い、汗に濡れた体を絡めたまま静かに息を整えた。
「男の人って……出すとほんとうに沈黙しちゃうのね。」
文さんが囁くと、健さんは笑みを浮かべて彼女の髪に口づけた。
「でも、文の内側が俺をまだ離してくれない。」
「そうよ。女は余韻を抱いたまま、もう一度あなたを欲しくなるの。」
窓の外には、遠くでまだ残る花火の光が一瞬だけ夜空を照らした。
その閃光のように、ふたりの夏も燃え続けていた。